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行列38の解説 (連立方程式が不能の場合)

 

{2x+y+az=2ax+ay2z=2x+2yz=1

 

 

① この連立方程式を行列で表したとき、係数行列と拡大係数行列の階数が異なるような定数aを求める。

 

 

係数行列と拡大係数行列の階数が異なる場合は、連立方程式の解が不能の場合に該当する。

 

 

拡大行列のランクは (21a2a1a221211)

 

 

 

その小行列は (21a1a2121)=2a2+6a7=2(a32)2520

 

 

となって、拡大係数行列の階数は3になる。

 

 

一方、係数行列A (21a1a2121)

 

 

でその小行列式|2112|=41=30 なので、階数は2以上になる。したがって、係数行列が拡大係数行列の階数3にならない条件は

 

 

|A|=|21a1a2121|=a2+7=0

 

 

 

a=±7のとき、連立方程式の解は不能になる。

 

 

 

a=±7・・・①の答え

 

 

 

 

 

② 

①で求めた2つのaの値 a1,a2 (ただし a1<a2)に対して、連立方程式の3つの解であるx,y,zの和の値が最大となるaの値を求める。

 

 

aの範囲が(7<a<7)になる。クラメールの公式からx,y,zを求める。

 

 

x=|2a1a2a2121||A|=3a2+12a7a2

 

 

y=|22aa12211|1|A|=3a7a2

 

 

z=|212a1a2121||A|=2a2+6a17a2

 

 

よって

 

 

x+y+z=5a2+15a77a2=f(a) とおくと

 

 

f(a)=5a215a+7a27

 

 

df(a)da=(10a15)(a27)(5a2+15a7)2a(a7)2

 

 

=15a284a+105(a7)2

 

 

df(a)da=0=15a28a+105(a7)2となるのは、a=14±215=3.72,1.88

 

 

 

f(a)の増減表

a ・・・・・ 1.88 ・・・・・ √7(2.6・・・)
f´(a)
f(a) 極大(最大値) -∞

 

 

7<a<7の範囲より、a=3.72は範囲の外である。

 

 

したがって、極大値をとるaの値は上の増減表より

 

 

a=14215となりかつ範囲内で最大値になる。

 

 

 

②の答え

 

a=14215のときに x+y+zは最大値をとる。

 

 

 

 

 

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