
積分公式をどうしたら覚えられるかという話です。ひとつひとつの積分公式の形が複雑で見た目が似ている式が多いです。また、公式の数も多く暗記するのがとても大変です。
そこで、公式だけを覚えるのではなく、公式と公式を導く過程をセットで覚えるのです。公式をひとつの問題として、その解き方もセットで覚えてしまうのです。
例えば
∫1√x2+adx=loge|x+√x2+a|・・・(1)
の公式を覚えるとしたら
解き方
√x2+a=t−x とおいて
x=t2−a2t だから
√x2+a=t−x=t−t2−a2t=t2+a2tとなる。
また、
dx=t2+a2t2dt となり、積分は
∫1√x2+adx=∫2tt2+a⋅t2+a2t2dt
=∫1tdt=loge|t|=loga|x+√x2+a|
ここまでをセットで覚えてしまうのです。
次に上の公式を使って、下の公式を解き方とセットで覚えます。
∫√x2+adx=12(x√x2+a+aloge|x+√x2+a|) の公式を導きます。
部分積分を使って
∫√x2+a=∫(x)′√x2+a=x√x2+a−∫x2√x2+adx
=x√x2+a−∫x2+a−a√x2+adx
=x√x2+a−∫√x2+adx+∫a√x2+adx
(1)の公式より
2∫√x2+adx=x√x2+a+aloge|x+√x2+a|
∫√x2+adx=12(x√x2+a+aloge|x+√x2+a|)
ここまでを覚える。
解き方は論理の積み重ねなので、覚えやすく暗記の要素が少ない。結局、公式だけを暗記するよりも記憶のとまりがいいのです。
そして解き方を覚えることによって、他の積分を解くときに応用することができます。公式を解くときに使ったテクニックが他の問題を解くときに生かされることが多いのです。
公式の導き方を繰り返すうちに勝手に公式を覚えてしまっています。