
{2x+y+az=2ax+ay−2z=2x+2y−z=1
① この連立方程式を行列で表したとき、係数行列と拡大係数行列の階数が異なるような定数aを求める。
係数行列と拡大係数行列の階数が異なる場合は、連立方程式の解が不能の場合に該当する。
拡大行列のランクは (21a2a1a−2212−11)で
その小行列は (21a1a−212−1)=−2a2+6a−7=−2(a−32)2−52≠0
となって、拡大係数行列の階数は3になる。
一方、係数行列A (21a1a−212−1)
でその小行列式|2112|=4−1=3≠0 なので、階数は2以上になる。したがって、係数行列が拡大係数行列の階数3にならない条件は
|A|=|21a1a−212−1|=−a2+7=0
a=±√7のとき、連立方程式の解は不能になる。
a=±√7・・・①の答え
②
①で求めた2つのaの値 a1,a2 (ただし a1<a2)に対して、連立方程式の3つの解であるx,y,zの和の値が最大となるaの値を求める。
aの範囲が(−√7<a<√7)になる。クラメールの公式からx,y,zを求める。
x=|2a1a2a−212−1||A|=−3a2+12a7−a2
y=|22aa12−211−|1|A|=−3a7−a2
z=|212a1a2121||A|=−2a2+6a−17−a2
よって
x+y+z=−5a2+15a−77−a2=f(a) とおくと
f(a)=5a2−15a+7a2−7
df(a)da=(10a−15)(a2−7)−(−5a2+15a−7)⋅2a(a−7)2
=15a2−84a+105(a−7)2
df(a)da=0=15a2−8a+105(a−7)2となるのは、a=14±√215=3.72,1.88
f(a)の増減表
a | ・・・・・ | 1.88 | ・・・・・ | √7(2.6・・・) |
f´(a) | + | 0 | - | - |
f(a) | / | 極大(最大値) | \ | -∞ |
−√7<a<√7の範囲より、a=3.72は範囲の外である。
したがって、極大値をとるaの値は上の増減表より
a=14−√215となりかつ範囲内で最大値になる。
②の答え
a=14−√215のときに x+y+zは最大値をとる。
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